プロが語る/My TREHA®

プロフィール

目黒秀信 ヨロシク寿司(東京・稲城市)
目黒秀信
ヨロシク寿司(東京・稲城市)
2019年取材

目黒秀信氏によるレシピは、会員ページ内「トレハ®レシピ集-料理-応用編」に掲載しています。

トレハ®使用歴

10年

使い始めたきっかけ

寿司の組合の講習会でサンプルをもらったのがきっかけです。シャリのにおいを抑えたり、貝の下処理に使うとくさみがとれたり、と説明を聞いたことを自分で検証したところ、明らかに効果を実感できたんです。とくにシャリは抜群によかった。その後、林原(現ナガセヴィータ株式会社)に寿司職人十数人とともに勉強会に行き、さらにいろいろな効果を教えてもらい、用途が広がりました。

どのように使っているか、また気に入っている機能について教えてください。

  • でん粉の老化抑制:シャリ
  • 変色抑制:甲殻類の下ゆで
  • くさみの抑制:貝類
  • 冷凍耐性:シャリ、魚介類全般
  • タンパク質の変性抑制:玉子焼き

具体的には、シャリの寿司酢に使用していて、でん粉老化抑制により、食感、ツヤが向上します。通常の寿司酢でつくったシャリは合わせてから2、3時間が経過すると味も色ツヤも落ちてしまい、米と酢による独特の発酵臭のようなものがするのですが、トレハ®を入れたものは昼前に仕込んでも夕方まで味が変わらず、仮にそれが翌日でもほぼ経時劣化がみられないほどです。
トレハ®には矯味矯臭作用があるため、トレハ®配合の寿司酢を熱いごはんに混ぜ込んだ時に立つ香りが抑えられ、はじめて使う人は酢がボケてしまうと思いがちですが、そのようなことはありません。むしろ逆で、時間がたってからの特有の発酵臭を抑えることができます。
また、冷蔵庫で保存しても、ポロポロと劣化してしまうことがありません。この効果はテイクアウトやスーパーなどの寿司店ではとても大きいと思います。

魚介類の下処理全般にトレハ®を使用しています。下処理にトレハ®をまぶす、甲殻類のゆで湯にトレハ®を入れるなど。また、トレハ®塩(塩10に対してトレハ®3を配合)、トレハ®酢(酢1Lにトレハ40gを配合)を常備し、多くの下処理に用いています。
トレハ®塩で塩締めすると、抜ける水分とともに魚介のくさみも抜けます。塩のみの塩締めに比べ、塩味がつかず、適度な水分は抜けても身を保湿して乾きにくくなります。
トレハ®酢も同様で、表面や身が硬くなりにくく保湿できます。

海老や蟹などの甲殻類は、お湯に対してトレハ®2.5%、塩1.25%を入れて茹でます。赤色が美しく茹であがり、身もふっくらとします。また茹でてから1週間たっても、甘味が抜けにくく、味はほとんど落ちません。そのため年末のおせちなどにもおすすめです。トレハ®を入れたお湯で茹でると、茹でた後、殻つきのまま冷凍・解凍も可能になります。

仕立てがシンプルだから寿司は効果が目に見えてわかります。寿司は料理であり、生の魚を切ってシャリにのせるだけではないし、シャリづくり、仕込みこそが物を言います。

どのくらい使っていますか?

シャリの寿司酢にトレハ®を配合しているため、寿司に関しては100%。つまみなどの料理でも魚介類の下処理などに90%以上は使用していると言っていいですね。

トレハ®を使うことによるメリットを教えてください。

シャリがおいしく食べられる期間がのびました。
また、仕込みのオペレーションが効率よくなり、魚介類の冷凍・解凍により廃棄率が低くなりました。店の経営のみならず、フードロスの軽減という意味でもトレハ®の役割は大きいですね。

世界で広がるお寿司

今は海外の寿司屋も人気があり、日本で寿司の専門学校を卒業して、すぐに海外の寿司店で働く例も多いようです。経験は少なくとも、質の高い寿司を提供するのに役立つのが、まさにトレハ®だと思います。
やはり寿司で大事なのは、6割以上がシャリです。とくに外国の寿司屋で一番苦労するのは、シャリ作りと聞きます。たとえ日本の米で作ろうとしても、水が違うので、寿司酢を吸わないなど苦労話は尽きないようですね。そんな場合は、トレハ®を使うことをぜひ提案したいです。ちなみに、私は江戸前寿司の職人なので使用しませんが、海外の寿司でよく使われるアボカドにもトレハ®の効果は大きく、皮をむいたアボカドをトレハ®10%水溶液に30分浸けると、褐変をかなり抑えることができます。どんどんトレハ®を活用して寿司の未来を切り開いてほしいです。